四十肩と言われてから、腕が上がりにくくなった。
髪を洗う、服を着替える、棚の物を取る。今まで何気なくできていた動作がつらくなることがあります。
肩を動かす運動を続けているのに、なかなか変わらない。
そんなとき、確認したいのは肩関節だけではありません。
肩関節の状態を確認したうえで、腕を上げる土台である肩甲骨・胸椎・骨盤まで見ていきます。
▪️四十肩は姿勢だけで起こるものではありません
四十肩・五十肩は、中年以降に多く見られる肩の疾患です。
肩の痛みだけでなく、腕を動かせる範囲が狭くなり、夜中に痛んで眠れないこともあります。
関節を包む組織などに炎症や癒着が起こり、肩関節そのものが動きにくくなることもあります。
姿勢が悪いから四十肩になる、骨盤を整えれば治る、という単純な話ではありません。
肩の痛みには、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎など、別の疾患が隠れていることもあります。診断は自己判断せず、まず医療機関で確認することが大切です。
▪️肩の動きをどのように確認するのか
腕が上がらないときは、痛みの強さだけではなく、次のような違いを確認します。
- 自分の力で、どこまで腕を上げられるか
- 力を抜いて動かしてもらうと、どこまで動くか
- 腕を外側へ回す動きが制限されていないか
- 腕を上げるときに肩をすくめていないか
- 体を反らしたり傾けたりして代償していないか
四十肩では、肩関節自体の動きが制限されていることがあります。
その状態を無視して、強い痛みを我慢しながら無理に動かすことはしません。
▪️少し姿勢を変えて比べてみましょう
強い痛みがない範囲で、腕の上がり方を比べてみてください。
まず、椅子に座って背中を丸め、肩が前へ出た状態で腕をゆっくり上げます。
次に、足裏を床につけ、骨盤の上に体を起こすように座り直してから、もう一度腕を上げます。
胸を無理に張る必要はありません。
確認するのは、腕の高さだけではなく、突っ張り感、痛み、肩のすくみ方です。
姿勢を変えたことで腕の動きが変わるなら、肩関節だけでは説明しきれない要素があります。
ただし、この違いだけで四十肩の原因を判断することはできません。
▪️肩甲骨は胸郭の上を動いています
腕を上げるとき、上腕骨だけが動いているわけではありません。
肩関節の受け皿がある肩甲骨も、肋骨でつくられた胸郭の上を動いています。
背中が丸まった状態で固まると、肩甲骨は前へ開きやすくなります。
その位置のまま腕を上げようとすると、肩周囲の筋肉に負担が偏り、首をすくめたり体を反らしたりして補うことがあります。
骨盤の支持
→ 背骨と胸郭の位置
→ 肩甲骨の動き
→ 上腕骨の動き
体は、このようにつながりながら腕を上げています。
▪️なぜ骨盤まで確認するのか
背骨は骨盤の上にあります。
骨盤が後ろへ倒れて背中が丸まると、肩甲骨が動く胸郭の位置も変わります。
反対に、股関節周囲の筋肉が骨盤を支え、背骨が動きやすい状態になると、肩甲骨と腕も動きやすくなる人がいます。
そこで、肩を無理に動かす前に、体幹や骨盤の支持を変えてから、もう一度腕の動きを確認します。
骨盤や体幹への介入後に、挙上・外旋・痛み・代償動作が変わる人では、肩関節だけでは説明しきれない要素があります。
変化がなければ、肩関節そのものへの評価と対応をさらに深めます。
大切なのは「肩か全身か」を決めることではなく、局所と全身の両方を見ることです。
▪️強い痛みを我慢して動かさないでください
痛みの強い時期に、無理やり可動域を広げようとする必要はありません。
外傷後に急に腕が上がらなくなった、力が入らない、強い夜間痛が続く、肩が腫れて熱を持っているといった場合は、先に医療機関へご相談ください。
医療機関で肩の状態を確認したうえで、肩甲骨・胸椎・骨盤を含めて動きを見ていく。
それが、肩を守りながら次の一歩を探す方法です。
▪️参考資料
- 日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」
- Clinical Practice Guidelines for Diagnosis and Non-Surgical Treatment of Primary Frozen Shoulder(2025)
▪️オンライン相談のご案内
遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。
▪️体験のご案内
福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。
「四十肩だから肩だけ」と決めつける前に。
肩関節と姿勢の両方から、今の動きを一緒に確かめてみませんか。





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