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膝だけ治療しても痛みが戻るのは、なぜ?——変形性膝関節症を股関節と骨盤から考える

膝を治療しても、しばらくすると痛みが戻ってしまう。

太ももを鍛えたり、膝を動かしたりしているのに、立ったり歩いたりすると、また痛くなる。

そのようなときは、膝ではなく、膝に負担を集めている場所を見直す必要があるかもしれません。

変形性膝関節症やO脚の方でも、膝だけではなく、骨盤や股関節、足先まで一緒に見ることで、立ち方や歩き方が変わることがあります。

▪️膝が痛いと、どうしても膝を見たくなる

膝が痛ければ、膝に原因があると考えるのは自然なことです。

変形性膝関節症では、軟骨や骨、関節のすき間など、膝そのものに変化が見られます。そのため、膝の動きや筋力、腫れなどを確認することは大切です。

しかし、膝に対して運動やケアを続けても、なかなか変化しない方がいます。一度は楽になっても、歩き始めると痛みが戻ることもあります。

そのようなときに考えたいのが、次の疑問です。

なぜ、膝に負担が集まり続けているのでしょうか。

膝へのケアが間違っているわけではありません。

ただ、膝だけを見ていては、負担が生まれる理由まで見えないことがあります。

▪️自転車のペダルだけを交換していませんか?

少し、自転車を想像してみてください。

ペダルが壊れたので新しいものへ交換しました。しかし、実は自転車のフレームが歪んでいて、その影響でペダルに偏った力がかかっていました。

この場合、ペダルだけを交換しても、フレームの歪みが残っていれば、再び同じ場所へ負担がかかる可能性があります。

人間の体も、これに近いところがあります。

膝は単独で働いているわけではありません。骨盤、股関節、膝、足首がつながり、その間で力を受け渡しながら、立ったり歩いたりしています。

膝は負担を生み出した場所ではなく、体全体の負担を引き受けている場所かもしれないのです。

▪️O脚を股関節から考えてみる

O脚の方を立った状態で見ると、股関節から脚全体が外側へ開いていることがあります。

ここで大切なのは、「股関節が外を向いている」という結果だけではありません。

なぜ、股関節を外へ向けて体を支えるようになったのか。

そこまで考える必要があります。

体の中心で支える力が弱くなると、体は別の場所を使って姿勢を保とうとします。その結果、股関節の外側にある筋肉を強く使い、脚を外へ開いた状態で立つようになることがあります。

それが長く続くと、股関節が外を向き、脚の内側にある筋肉は働きにくくなります。

つまりO脚は、膝だけの問題ではなく、体を支える方法が外側へ偏った結果として起きている場合があります。

▪️少し体で確かめてみましょう

無理のない範囲で立ち、股関節から脚全体を少し外側へ向けてみてください。

すると、膝と足先も外を向きます。

次に、股関節の向きは変えず、足先だけを正面へ戻してみてください。

膝の周辺に、少しねじれるような感覚が出ないでしょうか。

痛みが出る場合は、すぐに中止してください。

歩くとき、足先は進行方向へ向こうとします。しかし、股関節が外を向いたままでは、その間にある膝がねじれを引き受けることになります。

  • 股関節は外側を向いている
  • 足先は前を向こうとする
  • その間にある膝へ負担が集まる

この状態で立位や歩行を繰り返せば、膝の一部に負担が集中しやすくなります。

変形そのものを運動で元に戻す、という話ではありません。

膝に負担が集まり続ける体の使い方を見直し、痛みや動作が変わる可能性を探す。

それが、私が大切にしている考え方です。

▪️膝だけではなく、骨盤と股関節から整える

変形性膝関節症やO脚の方を見るとき、私は最初から膝だけを動かすわけではありません。

まず、骨盤が前後や左右へ傾いていないかを確認します。骨盤の位置が変わると、股関節周辺の筋肉の働き方も変わるからです。

次に、股関節を外へ向けている筋肉の緊張を減らし、脚の内側にある筋肉が働きやすい状態をつくります。

さらに、体幹と股関節をつなぐ筋肉が、体を支えるために働けるようにしていきます。

そのたびに、立ち方や歩き方を確認します。

  • 立ったときの膝の向きが変わったか
  • 足の裏に体重を乗せやすくなったか
  • 歩いたときの痛みが変わったか
  • 脚が前へ出やすくなったか

運動をたくさん行うことよりも、その運動によって体がどう変わったのかを確かめることが大切です。

▪️膝を見ないのではなく、膝だけで終わらせない

膝が痛い方に対して、膝を確認することは必要です。

ただ、膝へのケアだけで変化が出ないときには、骨盤、股関節、足首まで視野を広げてみる必要があります。

痛みのある場所と、負担を生み出している場所は、必ずしも同じではありません。

画像上で変形が確認されても、それだけで今後の痛みや動きがすべて決まるわけではありません。

体の使い方が変わり、膝へ集中していた負担を分散できれば、立ち上がりや歩行が楽になる可能性は残されています。

膝を見ないのではなく、膝だけで終わらせない。

骨盤から股関節、膝、足先までを一つのつながりとして見ることが、膝の痛みを見直すきっかけになります。

▪️オンライン相談のご案内

遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。

▪️体験のご案内

福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。

「変形しているから」と諦める前に、一度だけ。
膝に負担が集まる理由を、体全体から一緒に探してみませんか。

川﨑賢人

川﨑賢人

作業療法士歴18年。姿勢改善・痛みケアを専門に活動。制度リハではなく、“本当に良くなる再教育”を届けています。維持ではなく改善へ。その一歩を一緒に踏み出します。

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