「背筋を伸ばしてください」と言われても、気がつくとまた背中が丸まっている。
これは、本人のやる気や意識の問題ではありません。
背中を伸ばしても戻ってしまうのは、背中以外の土台が変わっていないからかもしれません。
▪️円背は「歳のせい」だけではありません
高齢になると、背中が大きく丸まった姿勢を見かけることがあります。
これを一般的に「円背」と呼びます。
圧迫骨折、骨や椎間板の変化、筋力低下など、円背には複数の要因が関係します。
骨の変形が強く、簡単には変えられない部分もあります。
しかし、すべてを「もう歳だから仕方がない」と考える必要はありません。
円背には、変えにくい部分と、姿勢や動きによって変えられる部分が混在しています。
▪️少し体で確かめてみましょう
椅子に座り、骨盤を後ろへ倒してみてください。
お尻を前へ滑らせるようにすると、腰の反りが消え、背中が丸くなり、肩や頭も前へ出てくると思います。
次に、無理のない範囲で骨盤を起こしてみてください。
骨盤の動きに合わせて、腰や背中の形も変わりませんか。
この変化が、背中の丸まりを考える大切なヒントです。
▪️背骨の土台は骨盤です
背骨は、骨盤の上にあります。
家に例えると、骨盤が基礎で、背骨がその上に立つ柱です。
土台である骨盤が後ろへ倒れると、その上にある腰や背中も丸まりやすくなります。
この状態で背中だけを伸ばしても、土台が変わっていないため、姿勢はすぐに戻ります。
背筋を伸ばしても戻る時は、背中ではなく骨盤から見直す必要があります。
▪️骨盤を支えているのは股関節です
骨盤の下には、左右の股関節があります。
そのため、骨盤の位置を考える時は、股関節周囲の筋肉が正しく働いているかも確認します。
特に注目したい筋肉の一つが、腰の背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋です。
大腰筋を含む股関節周囲の筋肉が十分に働かなければ、骨盤を起こした状態で支えにくくなることがあります。
すると、背中や肩の筋肉が頑張って姿勢を支えようとします。
円背に見えているものが、背中だけの問題ではなく、骨盤や股関節から続く体のつながりで起きている場合があるのです。
▪️動かない時間が姿勢を固定します
歩く量が減る。
座っている時間が長くなる。
転倒や骨折をきっかけに、さらに動かなくなる。
このような生活が続くと、次のような動きが少なくなります。
- 骨盤を起こす
- 股関節を伸ばす
- 背骨を伸ばす
- 肩甲骨を後ろへ動かす
体は、使わない動きを少しずつ失います。
だからこそ、よい姿勢を意識するだけではなく、長く使っていなかった動きをもう一度取り戻すことが大切です。
▪️背中だけでなく、体全体を確認します
背中の丸まりを見る時は、背中だけを伸ばせばよいわけではありません。
- 骨盤を前後に動かせるか
- 股関節を伸ばせるか
- 背骨を伸展方向へ動かせるか
- 肩甲骨を後ろへ動かせるか
- 姿勢を変えた後、立ち上がりや歩行が楽になるか
こうした動きを一つずつ確認します。
骨盤を動かした後に背中が伸びるのであれば、そこにはまだ変えられる余地があります。
大切なのは、丸まった背中だけを見るのではなく、体のつながりをたどることです。
▪️完全に戻らなくても、変えられることがあります
骨の変形や長年の拘縮があれば、すべての円背が完全に元へ戻るとはいえません。
それでも、次のような変化が生まれる可能性はあります。
- 骨盤が少し起きる
- 背中が伸びやすくなる
- 顔が上がる
- 呼吸がしやすくなる
- 立ち上がりや歩行が楽になる
変わらない部分があることと、何も変えられないことは同じではありません。
「もう歳だから」で終わらせず、どこなら変えられるのかを探していきます。
▪️オンライン相談のご案内
遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。
▪️体験のご案内
福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。
「もう歳だから」と諦める前に、一度だけ。
背中の丸まりにも、体の使い方から変えられる部分があります。





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