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椎間板ヘルニアを、椎間板だけで見ない

椎間板ヘルニアを、椎間板だけで見ない

椎間板ヘルニアは、一般的に「背骨の骨と骨の間にあるクッションが飛び出し、神経を圧迫する状態」と説明されます。

原因としては、加齢による椎間板の変化、長時間のデスクワーク、姿勢の崩れ、重労働などが挙げられます。

ただ、ここでひとつ疑問が生まれます。
同じように年齢を重ねても、椎間板ヘルニアになる人とならない人がいます。
同じように座り仕事をしていても、腰に強い負担が出る人と、そうでない人がいます。

その違いは、どこから生まれるのでしょうか。

私は、椎間板そのものだけではなく、股関節・骨盤・背骨のつながりから体を見ることが大切だと考えています。

背骨のS字カーブと椎間板への負担

背骨は本来、S字カーブを描いています。
腰椎は前に反り、胸椎は後ろに丸まり、頸椎はまた前に反る。

このカーブがあることで、背骨はバネのように衝撃を分散しています。
そして、背骨と背骨の間でクッションの役割をしているのが椎間板です。

本来のS字カーブが保たれていれば、一箇所だけに負担が集中しにくくなります。

しかし、反り腰や背中が丸くなった姿勢が続くと、背骨のカーブは崩れます。
その結果、腰の一部に負担が集まりやすくなり、椎間板にも圧力がかかりやすくなる可能性があります。

大切なのは、「椎間板がどうなっているか」だけでなく、「なぜそこに負担が集まったのか」を見ることです。

背骨の土台は骨盤です

背骨は、骨盤の上に乗っています。
家でいえば、骨盤が土台で、背骨はその上に立つ柱のようなものです。

土台である骨盤が傾けば、その上にある背骨も影響を受けます。

座った状態で骨盤を前に倒すと、自然と腰は反ります。
反対に、骨盤を後ろに倒すと、腰や背中は丸くなります。

つまり、背骨の形は骨盤の傾きと深く関係しています。

腰だけをまっすぐにしようとしても、骨盤が傾いたままでは、体はまた元の姿勢へ戻りやすくなります。

骨盤を支えているのは股関節まわりの筋肉

骨盤は、股関節の上にあります。
そして骨盤を安定させているのは、お尻、股関節の前側・外側・内側、太ももなどの筋肉です。

これらの筋肉がバランスよく働くことで、骨盤は安定します。

反対に、股関節まわりの筋肉が硬くなったり、うまく働かなくなったりすると、骨盤は傾きやすくなります。

  • 股関節が硬くなる
  • 骨盤が傾く
  • 背骨のS字カーブが崩れる
  • 腰や椎間板に負担が集まりやすくなる

このように見ると、椎間板ヘルニアや腰痛は「腰だけの問題」とは言い切れません。
体全体のつながりとして見直す必要があります。

座りすぎが股関節に与える影響

現代の生活では、座っている時間がとても長くなっています。

デスクワーク中、股関節はずっと曲がった状態です。
その姿勢が1日何時間も続き、それが毎日積み重なると、股関節は伸びにくくなります。

股関節が伸びにくくなると、骨盤が前に倒れやすくなり、反り腰につながることがあります。

反り腰になると、腰椎のカーブが強くなり、腰に負担が集まりやすくなります。

人間の体は、本来もっと動く前提でできています。
歩く、しゃがむ、立つ、登る。そうした動きの中で、股関節・骨盤・背骨は本来の働きを保っています。

動く前提の体で、動かない生活を続けている。
このズレが、腰や股関節の不調として現れることがあります。

腹筋や背筋だけでは足りないことがある

腰痛に対して、「腹筋をつけましょう」「背筋を鍛えましょう」と言われることがあります。

もちろん筋力は大切です。
ただ、骨盤が傾き、股関節が動きにくく、背骨の配列が崩れたまま筋トレをしても、腰に負担がかかる使い方を繰り返してしまうことがあります。

大切なのは、筋肉を強くすることだけではありません。

体がどう崩れて、どこに負担が集まっているのかを見ることです。

股関節まわりを整え、骨盤を安定させ、背骨が本来のカーブを取り戻しやすい状態をつくる。
その視点が、慢性的な腰の不調を考えるうえで重要になります。

医療が必要な場面と、姿勢から見直せる場面

整形外科や手術を否定しているわけではありません。

強い神経症状、急性の痛み、進行するしびれ、排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関での判断が必要です。

一方で、慢性的な腰の不調では、画像に写っている結果だけではなく、なぜその部分に負担が集まったのかを見ることも大切です。

椎間板が飛び出している。
では、なぜそこに圧力が集まったのか。
なぜその姿勢になったのか。
なぜ股関節が動きにくくなったのか。

そこまで見ていくことで、体を変えていくヒントが見えてくることがあります。

腰を、腰だけで見ない

椎間板ヘルニアという言葉を聞くと、どうしても椎間板そのものに意識が向きます。

でも、椎間板は負担を受けている場所であり、その上流には股関節の硬さ、骨盤の傾き、背骨のカーブの崩れがあるかもしれません。

だから私は、腰だけを見ません。

  • 股関節の動き
  • 骨盤の傾き
  • 背骨全体のカーブ
  • 立ち方、座り方、歩き方

体全体のつながりから見ることで、まだできることが見えてきます。

腰を、腰だけで見ない。
椎間板を、椎間板だけで見ない。
体はつながっています。

オンライン相談のご案内

遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。

体験のご案内

福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。

「ヘルニアだから仕方ない」と決める前に、一度だけ。
腰も、体も、つながりから見直せることがあります。

川﨑賢人

川﨑賢人

作業療法士歴18年。姿勢改善・痛みケアを専門に活動。制度リハではなく、“本当に良くなる再教育”を届けています。維持ではなく改善へ。その一歩を一緒に踏み出します。

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