ストレートネックになるのは、スマートフォンやパソコンを長時間使っているから。
この説明は、間違いではありません。
ただ、それだけで本当に説明できるでしょうか。
もし、うつむく時間だけが原因なら、画面の高さを整えて、良い姿勢で仕事をすれば元に戻るはずです。ところが実際には、環境を変えても首こりを繰り返す方がいます。
なぜなら、頭の位置は首だけで決まっているわけではないからです。
▪️ストレートネックと「頭が前に出る姿勢」は同じではありません
ストレートネックは、本来ゆるやかに前へ湾曲している頸椎のカーブが少なく見える状態を指す言葉です。一方、耳が肩より前へ出ている姿勢は「頭部前方位」と呼ばれます。
日常では同じ意味で使われることもありますが、厳密には別のものです。また、画像上で首のカーブが少なくても痛みのない方はいますし、頭が前に出ていても必ず痛むとは限りません。
だから大切なのは、ストレートネックという形だけを追いかけることではなく、なぜその人の頭がその位置にあるのかを確かめることです。
▪️少しだけ、体で実験してみてください
立った状態で、骨盤を少し前へ傾けてみてください。腰の反りが強くなり、上半身や頭の位置も変わるはずです。
次に、骨盤を後ろへ倒して背中を丸めてみてください。今度は胸が落ち、顔を前へ向けるために頭が前へ出やすくなります。
前傾でも、後傾でも、やり方は違いますが頭が前へ出ることがあります。
これは、骨盤だけでストレートネックを判断できるという意味ではありません。
首の位置が、骨盤・腰・胸・肩の状態に合わせて変わることを感じるための実験です。
▪️人の体は、重力の中でバランスを取っています
人間は、積み木のように止まっている構造物ではありません。立つ、歩く、振り向くといった動作を続けるために、体全体で重力に対するバランスを取っています。
骨盤の位置が変われば、その上にある腰椎のカーブも変わります。腰の位置が変われば、胸椎や肩、頭も別の場所でバランスを取り直します。
骨盤から腰、胸、首へ。
反対に、目線や頭の位置から胸、腰、骨盤へ。
体は一方向だけでなく、全身で影響し合っています。首だけを整えても戻る方では、このつながりの中に見落としている場所があるかもしれません。
▪️大腰筋も、確認したい筋肉の一つです
骨盤と股関節のつながりを考える時、私が確認する筋肉の一つが大腰筋です。
大腰筋は腰の背骨から始まり、骨盤の内側を通って、太ももの骨につながっています。股関節を曲げるだけでなく、腰や骨盤を支える働きにも関わる筋肉です。
座っている時間が長い方では、股関節を伸ばしにくくなることがあります。そのまま立とうとすると、腰を反る、胸を後ろへ引く、頭や肩を前へ出すといった代償が起こる場合があります。
ただし、大腰筋だけがストレートネックの原因ではありません。腹部やお尻、背中の筋肉、胸椎や股関節の動き、仕事中の姿勢なども関係します。
大腰筋は「これさえ伸ばせばよい筋肉」ではなく、全身のつながりを見る中で確認する一要素です。
▪️首だけを揉んでも戻るのは、なぜ?
首の筋肉を揉んだり、首のストレッチをしたりすると、一時的に楽になることがあります。それ自体が悪いわけではありません。
しかし、胸が動きにくい、股関節が伸びにくい、骨盤を支えにくいといった状態が残っていれば、日常生活の中で頭はまた同じ位置へ戻りやすくなります。
そこで必要なのは、首を無理に後ろへ引いて固めることではありません。
背骨がそれぞれの場所で動けること。
骨盤と股関節を支えられること。
そのうえで、頭を楽に支えられること。
この順番で見直すことが、繰り返す首の負担を減らす入口になります。
▪️デスク環境を整えることにも意味があります
画面を見やすい高さにする、足の裏が床につくようにする、同じ姿勢を長く続けない。こうした環境調整は大切です。
ただし、「正しい姿勢」を一日中固めて守ろうとする必要はありません。体にとって負担になるのは、一つの姿勢そのものより、動かない時間が長く続くことです。
環境を整えたうえで、胸椎・股関節・骨盤が動きやすい状態をつくる。必要な筋肉を使えるようにする。首だけに負担を集めない体を目指します。
▪️ストレートネックは、全身から見直せます
ストレートネックは、スマートフォンだけの問題でも、首だけの問題でもありません。
大切なのは、骨盤前傾や大腰筋を新しい「犯人」にすることではなく、その人の体がどこで動きにくく、どこで無理をしてバランスを取っているのかを見つけることです。
私自身も以前は首を痛めることがありました。首だけでなく、背骨・骨盤・股関節のつながりから体を見直すようになってから、首を痛めることはなくなりました。
首だけを整えても繰り返す方は、一度、全身の姿勢と動きを確認してみてください。
※強い痛み、しびれ、筋力低下、歩きにくさ、発熱、けがの後から続く症状がある場合は、セルフケアを続けず医療機関へご相談ください。
▪️オンライン相談のご案内
遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。
▪️体験のご案内
福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。
首だけを整えても戻るなら、骨盤・股関節・背骨のつながりから見直すことが大切です。
全身の姿勢と動きから、一緒に改善の糸口を探しましょう。





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