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脚の長さが違うと感じるのはなぜ?骨盤の傾きとの関係




「左右で脚の長さが違う気がする」

ズボンの裾の長さが合わない。片方の靴底だけ減りやすい。立っていると、いつも同じ脚へ体重をかけてしまう。

このような左右差があると、本当に骨の長さが違うのではないかと不安になるかもしれません。

しかし、脚の長さが違って見える理由は、骨そのものだけではありません。

骨盤の高さや回旋によって、片方の脚が長く、反対側が短く見えていることがあります。

▪️脚の長さが違って見える二つの理由

脚長差には、大きく分けて二つの考え方があります。

  • 骨そのものの長さに差がある
  • 骨盤や股関節の位置によって、長さが違って見える

骨折後の変形、先天的な骨の形態差、成長過程の問題、手術後の変化などがあれば、骨そのものの長さに差がないか確認が必要です。

一方で、そのような理由がなく、立ち方や体重のかけ方によって左右差が変わる場合は、骨盤の傾きや回旋から確認します。

私が日常の施術で出会う「脚の長さが違う」という感覚の多くは、後者です。

▪️少し自分の体で実験してみましょう

痛みのない方は、両足で楽に立ってみてください。

そこから、右脚へゆっくり体重を移します。すると、反対側である左の骨盤が上がるのを感じると思います。

次に、左脚へ体重を移します。今度は右の骨盤が上がります。

この動き自体は、体がバランスを取るための自然な反応です。

ただし、毎日同じ脚へ体重をかけ続けていると、骨盤の高さが違う状態を体が覚えてしまいます。

脚の長さが違うのではなく、いつもの立ち方によって骨盤の高さが変わっているのです。

▪️骨盤の回旋は膝の向きにも表れます

骨盤の左右差は、高さだけでなく回旋として表れることもあります。

足先を正面へ向けたまま、骨盤だけを少し回してみてください。

片方の膝は外へ向き、反対側は内へ入りやすくなります。片側はO脚方向、反対側はX脚方向へ力がかかる状態です。

このまま立ったり歩いたりすれば、股関節・膝・足へかかる負担も左右で変わります。

膝だけを整えても骨盤の回旋が残っていれば、歩くたびに同じねじれが繰り返されます。

▪️骨盤の高さは背骨や肩にもつながります

骨盤は、背骨を支える土台です。

骨盤が傾くと、そのままでは頭まで傾いてしまいます。しかし体は、頭を水平に保とうとして背骨や肩の位置を調整します。

その結果、次のような左右差が表れます。

  • 左右で肩の高さが違う
  • 片側の腰へ負担が集まる
  • 首や肩の緊張に左右差が出る
  • 片方の膝だけ内側や外側へ向く

肩や膝だけを見ても戻ってしまう時は、土台である骨盤に左右差が残っていないか確認することが大切です。

▪️体をねじったままでは前後に動きにくい

もう一つ、痛みのない範囲で試してみてください。

体を少しねじった状態で前屈します。次に、正面へ戻してから前屈します。

ねじれた状態では、前屈しにくくなるはずです。

体に回旋が残っていると、前後方向の動きまで制限されます。

そのため私は、前屈や歩き方を改善したい時でも、先に骨盤の高さと回旋を確認します。

▪️私が大腰筋の左右差を見る理由

骨盤の高さや回旋を確認する時、私が注目している筋肉が大腰筋です。

大腰筋は、腰の背骨から太ももの骨までをつなぐ、お腹の奥にある筋肉です。股関節を曲げる動きや、腰・骨盤・股関節の安定に関わっています。

骨盤が高い側では力が入りにくく、低い側では硬さが強くなっている人がいます。

また、骨盤の片側が前へ出ている場合は、前へ出た側の大腰筋が伸ばされ、反対側が短く硬くなっている状態を確認します。

この左右差を整えるためには、硬い側を強く伸ばすだけでは足りません。

硬くなった筋肉でも、痛みのない範囲で適切に力を入れた後に緩むことがあります。そのため、左右それぞれの状態に合わせて刺激を入れていきます。

▪️大切なのは同じ動きで変化を確かめること

体操や姿勢調整を行った後は、同じ条件で体を確認します。

  • 骨盤の高さは近づいたか
  • 膝と足先の向きは揃ったか
  • 肩の高さは変わったか
  • 前屈しやすくなったか
  • 立った時の接地感は変わったか
  • 歩き方や痛みは変わったか

これらが変われば、骨盤と大腰筋の左右差を中心に考えた見立てが合っていたと判断します。

変わらなければ、足元、股関節、背骨、または骨そのものの脚長差を見直します。

体操を行うこと自体が目的ではありません。姿勢と動きがどう変わったかを確かめることが大切です。

▪️脚の長さではなく全身のつながりを見る

脚の長さが違うように感じても、最初から変えられないものだと決める必要はありません。

骨盤の高さや回旋が整うことで、膝・腰・肩へ集まっていた負担まで変わる人がいます。

それは、痛い場所へ直接何かをしたからではありません。

全身のねじれをつくっていた土台が変わったからです。

「左右で脚の長さが違う気がする」と感じている方は、脚だけでなく、骨盤と全身の姿勢から確認してみてください。

なお、骨折や手術の後、急な痛み、強いしびれ、力が入りにくい症状がある場合は、セルフチェックを続けず医療機関へご相談ください。

▪️オンライン相談のご案内

遠方の方や、まず姿勢とのつながりを知りたい方は、オンラインでの相談も可能です。
画面越しに姿勢を見ながら、痛みと体のつながりを一緒に確認します。

▪️体験のご案内

福岡市で、訪問型の姿勢ケアを行っています。
「もう仕方ない」と感じている方こそ、一度ご相談ください。

「脚の長さが違うから仕方ない」と諦める前に、一度だけ。
骨盤と体のつながりを見直すと、動きが変わる入口が見つかります。

川﨑賢人

川﨑賢人

作業療法士歴18年。姿勢改善・痛みケアを専門に活動。制度リハではなく、“本当に良くなる再教育”を届けています。維持ではなく改善へ。その一歩を一緒に踏み出します。

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